エーミング必須の時代
|背景にあるのは車両業界のIT化
昨今、自動車整備業界でもIT化が進み、 自動車の安全性向上の観点からASV(先進運転支援システム搭載)車の普及は加速度的に進んでいます。1992年から国土交通省が『ASV推進計画』 を進めていることもあり、2018年の時点で車両安全装備を装着した車種は178種、生産台数は402万666台となっています。
2020年4月1日から道路運送車両法の一部改正がなされ、分解整備の解釈が“センサーなどの装置の作動に影響を及ぼすおそれがある作業全て”に拡げられました。
併せて、自動車特定整備制度では“電子制御装置に影響を与えうる作業全て”を「特定整備」として位置付けました。
そのため、車両に電子制御装置が備え付けられている場合、従来の分解整備のみを行うとしても「自動車特定整備事業者」の認証が必要になります。
|エーミング作業とは
エーミング作業とは、主に電子制御装置が正しく作動するための校正・調整作業のことです。 具体的には、レーダーセンサーや音波センサーのついた外装類の脱着、カメラが付いたフロントガラスの交換、フレーム修正を伴う板金塗装を行ったときに先進安全装置を正しく作動させるために行う校正作業です。
ASV車には、衝突被害軽減ブレーキ・ふらつき注意喚起装置・車線逸脱警報装置など安全に関わる多くの機能が搭載されています。これらの最新技術を駆使したセンサー類を正しく整備するためにもエーミング検査は最も重要な役割を担います。
エーミング検査には「動的エーミング」と「静的エーミング」の2種類があります。静的エーミングは、車両を静止させた状態で行うエーミング作業で、特定整備の対象となります。一方動的エーミングは、車両を走行させた状態で行うエーミング作業で特定整備の対象外とされていますが、カメラの交換等を行なった場合は対象となりますので、詳しい内容については弊社へぜひお問い合わせください。
|エーミング検査が必要な作業
- ミリ波レーダーとカメラの交換、またはそれらを搭載した車両のバンパー、グリルの交換、着脱など
- フロントガラス交換、着脱など
- ドアミラー交換、着脱など
- フレーム修正を行う板金塗装
- 自動運転装置の取り外しや作動に影響を及ぼす恐れのある整備や改造
- 自動ブレーキやレーンブレーキに使われる前方をセンシングするためのカメラの取り外しや機能調整